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ものづくりが好きな人の「好き」がいっぱい詰まってます

もう居ない店員さん

8年ほど前になると思いますが、駅前のコンビニにとんでもない青年が居ました。

 

駅前のコンビニなので、正直流れ作業な店員さんがほとんどでした。でも別にそれをどうこう言うつもりはないんです。こちらとしても早く済ませたいですからね。

でもすごく忙しいコンビニだったので、ガサツな人も居たんです。流れ作業なのと、ガサツなのは別物。特に夜の店員さん。おつりを投げるように渡す男の子とか、商品を自分の前に置いたままなおじさん。(私チビなので、相当手を伸ばさないと届かなかった)女の子は皆よい子ばかりだったんですけどねぇ。

 

そんなある日、ガサツな人が居なくなったんです。

居なくなったということは新しい人が来るわけです。

 

そう。彼は突然現れた。

 

初めて接客をしてもらった時は、第一印象「また不愛想な子が入ったな」と言う感じでした。しかし、彼はとてつもなくテキパキしているし、それでいて丁寧なので最初からかなりの好印象。

ある時、レジ脇に一番〇じの残りと思わしき商品がたたき売りされていたんです。私は既にお会計中。店員さんは既に袋詰めをしていました。私はその中から一冊のノートを手に取り「すみません、これも良いですか」と言いました。彼は「はい」とだけ言うととても素早く袋を取り替えてくれて、尚且つノートを真ん中に入れてくれたのです。

 

お気付きですか?

相当デカイ袋に入れない限り、ノートを袋の端っこ(外側)に入れたとすると、若干曲がってしまうんです。

真ん中に入れてもらった方が折れないんです。

 

それを、迷うことなくスッとやったのです。

 

もう、私、初めて拍手したくなりました。

既に立ってるのに、スタンディングオベーションする勢い。

 

こういう小さな気遣いを、サラッと出来ちゃう人って凄い!!

 

その後も、レジに並んでいると、サッと現れて「こちらのレジどうぞ」とか、新商品が店に無かったので入荷しないですか?と聞くとサッと答えてくれたり。

何もかもがスマートだったのです。

 

感じが良い店員さんは勿論素晴らしいと思うのですが、何もかもがスマートな店員さんはもっと素晴らしいと思います。それが不愛想だとしても!

 

 

因みに、いつだったか3月の事。

その彼と、新人の男の子が居ました。新人の男の子は、そのコンビニで史上最悪な接客をしてくれて驚いたのを覚えてます。おつりどころか商品まで投げて寄越す。おいおい、接客が嫌なら辞めな?と言いたくなるほど。

あのスマートな彼は、そんな新人を横目にレジを捌き、チラっと新人を見ながら顔をしかめたのが忘れられません。

そして4月になった時、スマートな彼が姿を消しました。嫌な予感はしてたんです。大学生っぽかったし就職したんでしょう。

 

彼の代わりに来たのがあの新人か……。

私は、スマートな彼の素晴らしさが忘れられず、また、代わりに来た新人の酷さが際立ってしまって、駅前だと言うのにそこのコンビニにあまり近寄らなくなったのでありました。(女の子の時だけ利用してました)

 

スマートな彼が素晴らしすぎたんだ。

 

 

 

 

 

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